文書館のお知らせ

はじめての古文書講座(春季)を開催しました

 5月15日(水曜日)・22日(水曜日)・29日(水曜日)に、「はじめての古文書講座(春季)」を開催しました。

 当講座は、古文書の解読にはじめて取り組む方のための講座で、古文書の基礎知識を学んでいきます。古文書の形態や用途を学習した後、よく使われる表現、間違いやすい文字などを細かく確認しつつ、元号と干支の関係や、江戸時代の社会の仕組みなどの知識を深めました。そして、往来手形や離縁状、借用証文といった様々な文書の解読に挑戦しました。

 受講生の皆様、3日間にわたりご参加いただきありがとうございました。

 今年度の「はじめての古文書講座」は、秋季にもう一度企画しております。ホームページをご覧になって興味を持っていただいた方、次回の参加をお待ちしております。

 皆様の感想より、一部を紹介します。

・パズルをしているみたいで楽しく受講しました。引き続き学習したいと思います。
・表具を趣味としているのですが、掛軸は作れても読めない文字に困っていたため、本当に助かりました。
・初めて古文書に触れ、難しいと感じました。今回、少しばかりですが本物の古文書に接し、難しいながらも面白く感じました。昔の人の一端に触れることができ、面白かったです。

 

越後佐渡ヒストリア第105話を掲載しました

 第105話は「村での裁判-稲を盗んだのは誰か⁉」です。

 近世(江戸時代)の農村では、窃盗などの軽微な犯罪は村内で解決していました。しかし、警察や裁判所という組織が無いなか、村ではどのように犯人を見つけ、処罰していたのでしょう?

 文化6年(1809)に、頸城郡梶村(現上越市吉川区)で起こった稲の窃盗事件を例に、小さな村社会における犯人の選出方法と処罰を見ていきます。

  

 越後佐渡ヒストリア第105話はこちらをご覧ください。

第2回歴史講演会の様子を紹介します

 令和6年3月2日(土)に、令和5年度第2回歴史講演会「越後上杉房定と関東」を開催しました。 

 講師には、群馬県立歴史博物館の森田真一氏をお招きしました。 

 上杉房定は戦国時代の前半の越後守護で、皆さんご存知の上杉謙信より100年ほど早くに活躍した人物です。関東から京都、そして越後に至るまでの上杉一門の関係や、関東の戦乱における房定の果たした役割について、非常にわかりやすくご講演いただきました。

 また、当館に寄託されている「善照寺文書」にも触れていただき、文書の内容についての考察をしていただきました。

 来年度にも歴史講演会の開催を2回予定しております。以降も魅力的なテーマでお届けしたいと思いますので、多くの方のご参加をお待ちしております。

*****参加者の感想の一部を紹介します。*****
●室町幕府と鎌倉府とのバランス関係が微妙な情勢の中、守護として越後の領国経営を行った手腕は大変なものだと思う。今まであまり触れる機会のなかった人物だけに、新発見があって勉強になりました。

●越後上杉氏の歴史の中でのあり方が違っていたら、今の新潟県のあり方もかなり変わったものになっていたのでは?と想像してみたくなった。

●難しい古文書解読の講演と考えていたが、歴史小説のような語り口で非常に面白かった。

●(善照寺文書の)研究の進展を期待しています。頑張ってください。

 

*****講演会の様子*****

 

文書館講座Ⅰを開催しました

 6月からスタートし、ほぼ月1回のペースで計8回にわたり文書館講座Ⅰを開講しました。

 今年度から始めた文書館講座は、当館所蔵資料をもとに新潟県の歴史を深掘りしていく講座です。この講座は古文書の輪読をとおして読解力を高めながら、当時の時代背景を深く知っていくことをねらって開講しました。

 江戸時代の日記を教材として使用しましたが、定型文ではなく日々の様々な出来事が記されており、読解や解釈に苦労されていたようです。したがって毎回予習が必須となりましたが、受講者の皆様には意欲的に取り組んでいただきました。開講中においては、最初のうちはまわりの様子をうかがう感じでしたが、回を重ねるにつれ解釈についての発言が活発に出るようになりました。また、講座前後や休憩時間には教材の紹介や連絡先の交換などをする姿が見られ、同好の士が定期的に集まる機会としても活用していただけたのではないでしょうか。

 来年度も同様の講座を名称を変えて開催する予定です。古文書解読力を高めたい方、主体的に予習をがんばれる方、お待ちしております。

 

<受講者の感想を一部紹介します>

・色々な人の書き癖があると思うので、今回の資料とは違う地域の人が書いた文章も読んでみたいです。自分にとってはかなりハードで大変でしたが、とても勉強になりました。ありがとうございました。

・8回の講座、楽しく参加させていただきました。難しくて読めない文字があるとすご~く悩むのですが、たった一字でも分かったときは嬉しくて、また読んでみようと思いました。いつも先生が詳しく内容を解説してくださるのでとても良く分かりました。1年間ありがとうございました。来年度も楽しみにしてま~す。

・皆さんと少人数で、自分が取り組む形(講義形式ではない)でやれ、とても刺激になりました。ありがとうございました。

・(受講者全体ではなく)お互い向かい合わせで、4人1組くらいで 検討しながら読むのもいいと思う。

 

<講座の様子>

 1日目(6月21日)

 

8日目(2月21日)

文書館講座Ⅱを開催しました

 「明治の政治家鈴木昌司の足跡」と題し、文書館講座Ⅱを2月7日(水)に開催しました。当日は急な会場変更をお願いすることになり、受講者の皆様にはご迷惑をおかけしました。

 今年度から始めた文書館講座は、当館所蔵資料をもとに新潟県の歴史を深掘りしていく講座です。今回は「解読」ではなく、「教養的」な講座として開催させていただきました。

 明治期に県会議員、衆議院議員としても活躍した鈴木昌司にスポットを当て、彼の足跡を通して県内の自由民権運動について解説しました。条約改正問題や保安条例など、教科書で知っていることが県内ではどのような動きとなって表れたのかを知ることができたのではないでしょうか。

 来年度も継続してこのような講座を開催する予定です。解読講座ともども、多くの方のご参加をお待ちしております。

 

<受講者の感想を一部紹介します>

・上越出身者として、大変興味深く拝聴しました。大変詳細に取りまとめており、大変良かったです。

・昔の政治家は活発に言論・行動をしていたと感心しました。地方出身者でありながら、特に条約改正を実現させた手腕は素晴らしい。

・明治時代の新潟県史の一部を教えてもらい大変興味深かった。膨大な資料を作っていただき、講師には敬意を表します。

・鈴木昌司の条約改正上奏案の提出における活動は新潟県の誇りであると思いました。大変分かり易い解説ありがとうございました。

 

<講座の様子>