文書館のお知らせ

越後佐渡ヒストリア第109話「古文書にみる神楽」を掲載しました

 お祭りやお正月になると、神社やお寺、街角で獅子舞が舞われている風景が見られます。地域によっては獅子舞を「神楽」と呼びますが、神楽とは神に奉納するさまざまな芸能の総称で、獅子舞は神楽の演目の一つです。新潟県にも地域に根付いた神楽が各地で伝承され、五穀豊穣や商売繁盛、無病息災といった人々の願いと神仏の御利益の仲立ちをしています。

 口伝・体得で継承され、時代とともに舞も変わる神楽は、文字として伝わることが稀で、往時の姿をうかがい知ることは容易ではありません。当館収蔵の中蒲原郡下興野村桂家文書「太神楽諸色仕訳帳」には、文化11年(1814)に奉加(寺社造立・修繕のための寄附金)を募るために太神楽を興行した費用が記されており、江戸時代の神楽を垣間見ることができます。

 

*ヒストリア第109話は、こちらからご覧ください。

「文書館だより第43号」を掲載しました

 「文書館だより第43号」では、「越後佐渡おもしろ歴史ばなし」で、ポーツマス条約締結から120年を迎える節目に、新潟県民と日露戦争の関わりを紹介しています。
 また、令和7年度企画展「近代の戦争と新潟」の紹介、 新たに閲覧可能となった文書の情報や、10月以降の古文書講座や歴史講演会の計画なども掲載していますので、ぜひご覧ください(文書館だより第43号.pdf(1,089kb))。

 

 

 

第1回歴史講演講演会を開催しました(お礼)

 9月20日(土)に第1回歴史講演会をご盛況のうちに終えることができました。

 今回は、上越教育大学の畔上直樹教授をお招きし、「戦前期の地域社会と「村の鎮守」―柏崎市新道鵜川神社文書を読み解く―」と題してご講演をいただきました。

 「神社合祀」については、普段意識していなかったとしても、畔上教授による説明により、本来身近にある神社との関わりを見直してみようと考えた参加者の皆様も少なくなかったように思います。

 今後とも、県立文書館では、ご参加いただく皆様に新潟県の歴史への関心をお持ちいただけるような講演会を計画してまいりますので、ご期待ください。

 

 最後にいくつか参加者の方からの感想を紹介します。

・説明に出てくる用語に慣れていない為明確にイメージし難い事もありましたが、未知の分野を豊富な資料で解説していただき、明治期の地域社会への認識が深まりました。

・神社合祀ということを初めて知ったので興味は湧いたが難しかった。

 

講演会の様子です。

 

越後佐渡ヒストリア第108話を掲載しました

 昨今の少子化にともない、現在の「学校」のありかたも変革が模索されるようになっています。

 近代の学校制度は、明治5年(1872)に政府が「国民皆学」の方針のもと、学制を発布したところから整備が進みます。

 ヒストリア第108話では、明治7年の開校届から、明治初期の「学校」のありかたを見ていきます。

 

*ヒストリア第108話は、こちらからご覧ください。

古文書初級解読講座(夏季)を開催しました(お礼)

おかげをもちまして、古文書初級解読講座(夏季)はご好評のうちに終えることができました。

講座の内容として、昨年からの継続したテーマであったことから、今年度の講座を楽しみにお待ちいただいた方も多くいらっしゃいました。

犯人が誰であったのかを古文書の読解を通して解き明かされていくような内容で、受講者の皆様には興味深く受講していただけたものと思っています。関連して江戸時代における社会制度を考えさせるところもあり、読解自体の難易度は高めの資料でしたが、多くの方が改めて古文書の解読に意欲を高めていました。

 受講者の方の感想を一部紹介します。

  ・昨年度講座の「解決編」ということで興味津々で参加した。

  ・まだ古文書読解の力量がなく難しかったが、教材は興味深く、少しずつでも読めるようになりたいと思った。

 講座の様子です。

はじめての古文書講座(春季)を開催しました(満員御礼)

 今回の講座では、古文書を読むうえで必要な基礎知識として、変体仮名や人名の読み方、日付の読み方(干支や年号)などを学びました。

 それらを北越雪譜など実際の古文書を題材にしながら学びました。

 いくつか、受講後の感想を紹介します。

 ・古文書への興味・関心が高まった。

 ・機会を見つけて、また学んでいきたい。

 ・たくさん学び、読めるようになりたい。

  今回、受講された方の中には、さらにこのあと開催される古文書初級解読講座(夏季)への参加を申し込まれた方もおられます(まだ定員に余裕がありますので、どなた様でもぜひお申し込みください)。また、11月には「はじめての古文書講座(秋季)」の開催も予定しております(詳細は後日ご案内します)。ぜひ、文書館の講座への参加を通じて、新潟県の歴史に興味を深めていただきたいと思います。

 最後に講座の様子を少しご紹介します(皆さん、真剣に取り組んでおられました)。

 

 

第1回企画展を開催しています

 

令和7年度の企画展は、「近代の戦争と新潟」と題し、以下の日程で開催する予定です。

第1回 北越戊辰戦争と越後の人々 5月27日(火)~9月15日(月)
第2回 徴兵制(日清戦争の時代を中心に)(仮)

9月17日(水)~10月19日(日)

11月11日(火)~1月25日(日)

第3回 日露戦争(仮) 1月27日(火)~翌年5月中旬まで
特別企画展 十五年戦争と県民の暮らし(仮) 10月21日(火)~11月9日(日)

 2025年は日清戦争終結から130年、日露戦争終結からは120年、第二次世界大戦終結からは80年にあたります。これらの時期の県民の暮らしを示す歴史資料を通して、県民にとって近代戦争とは何であったのかを考えるきっかけになればと思います。

 

 第1回企画展は、戊辰戦争の文書群を取り上げます。

 慶応4年(明治元年、1868)に戊辰戦争が起こりましたが、そのなかでも最大の激戦となったのが越後を舞台とした北越戊辰戦争でした。新潟県の歴史において県域で地上戦が行われたのは、上杉謙信死後の後継者争いである御館の乱(1578~79)及び関ヶ原の戦いの前哨戦である越後一揆(1600)以来のことでした。300年近くにわたって戦争を経験していなかった越後の人々が戦争に巻き込まれ、犠牲者も出ています。

 北越戊辰戦争は新潟県史上まれにみる壮絶な戦乱であったことは想像に難くありません。本企画展では、当館の収蔵資料を用い、越後の人々の視点から北越戊辰戦争をとり上げます。

 

 当時の歴史資料が1階エントランスホールと2階文書館閲覧室に展示してあります。戊辰戦争関係資料は、閲覧希望を出せば手に取ってご覧いただけます。この機会にぜひ文書館にお越しください!