平成25年1月24日(木)に文書館基礎講座の第1回「郵便制度の父 前島密」を開催しました。
文書館基礎講座は、文書館が所蔵するさまざまな資料を通して、近代の新潟県で活躍した人物についての基本的な知識を学ぶミニ講座です。
第1回は、上越市出身の前島密をとりあげ、近代的郵便制度の創設以外にも、様々な業績があることを説明しました。参加者は、前島密の知られざる一面に大変興味を持って聞いていました。以下、第1回の講座内容を概略で紹介します。
前島密の功績は、何と言っても近代的郵便制度を創設したことです。しかし、彼の功績はそれ以外にも、さまざまな分野に及んでいます。第一に海運業。三菱汽船への支援を通して、日本の海運業を発展させただけでなく、海員の育成や福利厚生にも気を配りました。第二に江戸遷都。大阪遷都を考えていた大久保利通に対して、江戸遷都を主張する書状を送りました。大久保が最終的に江戸遷都へ考えを改めた背景には、この書状が大きかったと言われています。第三に漢字廃止論。子どもたちの教育のために、難解な漢字を廃止して平仮名などを使用すべきであることを主張しました。第四に鉄道建設。現在の信越線にあたる北越鉄道など、多くの鉄道会社の経営に尽力しました。第五に新聞の発行。まだ新聞の発行が少なかった時代に、郵便制度を活用した「郵便報知新聞」を発行しました。その他にもさまざまな場面で前島密は活躍しています。特に、漢字廃止論にみられる日本の教育、さらには国語教育の発展に果たした役割はかなり大きかったのではないかと思います。

【講座の様子】
→越後佐渡ヒストリア第1話「
”郵便制度の父”前島密のもう一つの顔」