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[第86話]選手の胃袋までもおもてなし ─妙高国体1981の舞台裏─

 昭和56年(1981)2月21日から24日まで妙高高原町(現妙高市)で第36回国民体育大会冬季大会スキー競技会(通称妙高国体)が開催されました。大会終了翌日の昭和56年2月25日の読売新聞をみると、「宿泊施設で提供された食事がおいしかった」という県外選手のインタビュー記事があります。妙高国体では、妙高高原町の民宿を宿舎として競技選手を振り分け、昼食の弁当も含め宿舎が選手の1日の食事を用意するのが基本でした。

 そこで、宿舎が食事を用意する際に参考にしたものが『妙高国体の食事』という、国体の実行委員会から配布された献立のしおりです。参加選手が十分な栄養をとり、大会でより良い成績を残すことを目的として作成されました。内容は4日分の具体的な献立例が写真付きで載っており、どの食材に何の栄養が含まれているのかを示した食糧構成表も掲載されています。1食の献立例として笹寿し・漬菜汁・クリーム煮・含め煮・ポークカツ・せんキャベツ(千切りキャベツ)・ポテトサラダ・香のものが組まれています。ほかの献立例には妙高雑煮などもあり、笹寿し・漬菜汁といった妙高高原町周辺の郷土料理や地元妙高の野菜がふんだんに使用された料理が特徴的です。栄養素の内訳を見てみると、スポーツ選手の消費カロリーに合わせた食事量であることだけでなく、一般的な旅行中の食事では、不足しがちなビタミンなどの栄養を摂取できるような献立でした。さらに、宿舎がさまざまな状況に対応できるように、調理にまつわる衛生管理の項目や、選手が欠食した場合の宿泊料金変更の項目もあります。

このように献立だけではなく、妙高国体の食事に関する様々なことが書き示されていたため、『妙高国体─報告書─』(注1)では「宿泊について『妙高国体の食事』の作成や宿舎打ち合わせ会などの事前準備によって利用者からの苦情等はほとんどなかった」と報告されています。

国体の実行委員会と各宿舎は、地元妙高の料理でもてなすだけでなく、選手たちが栄養ある食事をとり、競技で悔いの残らない最高のパフォーマンスにつなげてほしいという願いを込めて準備したのでしょう。それが、「妙高国体の食事はおいしかった」という選手のかけがえのない思い出のひとつになったのではないでしょうか。

(注1)妙高国体─報告書─【請求記号:Q10教保19

 

      














     妙高国体の食事【請求記号:Q10教保17】