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新潟県立文書館

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[第53話]新潟県の産業力を見せつけろ!明治34年一大イベント開催 

 

 思い思いの服装をした人々が向かう先には、巨大なアーチと交差した日の丸の旗。そんな写真を印刷した風呂敷様の布を文書館では所蔵しています。



【「新潟県一府十一県聯合共進会開会式之図」と万代橋の写真が印刷された布】(請求記号 E1014-1665)

 明治34年(1901)8月10日、新潟市学校町通一番町(現在の新潟市役所本庁舎の地)で、52日間にわたる一府十一県連合共進会が開幕しました。共進会は地域の産物を一堂に集めて陳列し、品評する物産博覧会で、殖産興業政策の一環として明治12年(1879)に政府が開催したのが始まりです。その後政府の奨励もあり、全国各地で頻繁に行われるようになりました。中でも、各地方の府県が参加して開催する連合共進会には、審査官の派遣や優れた物品に与える褒賞金の提供など、政府の強力な支援がありました。
 この新潟県での共進会に参加したのは、東京府と神奈川・埼玉・群馬・千葉・茨城・栃木・山梨・長野・山形・富山の各県です。当時の新潟県は近代化が進む太平洋側の府県に比べ、あらゆる分野において立ち遅れが目立ってきたため、連合共進会を県内産業をアピールして発展させる絶好の機会と考えていました。「参観人汽車賃割引証」には関東の鉄道会社の名前が並んでおり、遠方からの来場を期待していたことがうかがえます。



【新潟県主催一府十一県連合共進会参観人汽車賃割引証】(請求記号 E9916-1400)

 一方県内でも、地元新聞が関連記事を盛んにとりあげたり、街を整備して国旗や提灯で飾ったり、あるいは協賛会を立ち上げたりと、共進会を成功させるため様々な準備がなされました。
 そして開会当日。午後からの開場にもかかわらず、4,500人以上の人々が来場しました。5,000坪以上もある敷地には4棟の物産陳列館、石油陳列館、飲食店などが建ち、国内外の物品見本や参加府県から出品された農産物、水産加工品、工芸品などが所狭しと並びました。その出品数は21種類3万8千点にのぼります。人々は様々な品を見て回り、気に入ったものを買うことができました。会期中は打ち上げ花火、音楽や能狂言などの催し、展覧会や競馬会なども開催され、この会を盛り上げました。
 こうして来場者数は外国人を含め約22万人に及び、これまで東日本で開催されてきた規模を上回る結果となりました。態度が悪い下足番や出品物の前で昼食をとる看守人がいたり、暑さのため出品した食品にカビや虫が発生したりと、いろいろなことがあったことが当時の新聞記事などからうかがえますが、連合共進会は盛況のうちに閉幕しました。
 肝心の出品物については、出品数も入賞者数も本県が最も多く、主催県の面目を保ちましたが、上位入賞者はそれほど多くありませんでした。審査報告のうち、新潟県分を抄録した「本県出品物報告」に書かれた品評は、本県の産業の多くがまだ発展途上にあったことを示しています。



【新潟県主催一府十一県連合共進会本県出品物報告】(請求記号 E9321-1-1338)

 連合共進会は、政府や県、出品人にとっては産業発展のアピールの場でしたが、一般の人々にとっては新しい時代のお祭りでした。一大イベント会場となった物産陳列館はその後、県内の物産を紹介する新潟県物産陳列所として利用されることになりました。