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「未来と現在のつながり」

 
第32回(平成24年度)
全国高校生読書体験記コンクール県入選
中俣美波さん(新潟県立新潟高等学校)

私は前から石田衣良さんの小説を読んだ事があったり、テレビに出演している姿を見たりしていく中で石田さんに興味があった。今回、石田さんのエッセイ集を見つけたので読んでみた。

新潟県立新潟高等学校

新潟県立新潟高等学校


最近勝ち組と負け組を簡単に人を二つに分けてしまう時代になってしまった。年収やボーナスなどの統計上の数字で人間を区別してしまうのだ。しかし人間の可能性は測り知れない物であるし、未来を予想できる人はこの世の中に誰一人としていない。人間は今をいきいきと生きることしかできない。自分のいる場所でベストを尽くし、大切に何かを守る。勝ち組でも負け組でもなく、ひとりだけで一度きりの生を送るのだ。石田さんはこのように書いている。


私はこの文章を読んで次のように感じた。未来に対しての夢は見られても、予想することは不可能である。予想することができたら、人生に苦を感じる事がない楽な人生になると共に夢に向かって努力する事のない、つまらなく充実感のない人生になるだろう。そんな人生で今自分のいる場所でベストを尽くすのは、もちろんの事であり未来の夢に視野に入れた上で「今」の努力を続けていくことも大切である。


しかし私自身が現在、前段落で書いたような生き方をしているかといえば、そうではない。私は未来の事を考えすぎて現実に起きている事を考えられなくなる事が多い。私には将来の夢がある。それは医者になって数多くの病気を治したり、患者に元気を与える事だ。まだ高校一年生である私は大学に入学するまで三年、大学を卒業して医者になれたとしても少なくとも九年はかかる。それなのに私は医者になれるという希望をもって想像を膨らませてしまうのだ。何科の医者になって、どんな場所で開業して…など、想像を始めると止まらなくなってしまうのだ。医者になるには相当な努力や根気が必要だと思う。医学部に合格するのも様々な困難を乗りこえなければならない。だから今自分に必要な事や、やるべき事を考えて行動することが大切なのである。私は勉強に息づまって苦しくなってきた時に想像を始めてしまう。苦しさから逃れようと現実逃避してしまう。このように楽な道ばかり選び続けていたらどうなるだろう。自分の可能性も自分でつぶしてしまい、夢への道をいつか失ってしまうだろう。冷静になって考えてみれば、このような事が私の悪い所であり直すべき行動なのである。


また、私はその場しのぎで行動してしまう事もある。例えば中学生の時、社会などの暗記を定期テストで良い点数を取ればいいやと思い前日から暗記を始めて数日の記憶をするために勉強していた。しかし中学三年生になり、高校入試で全く今までの暗記で通用しない事が分かり、人の何倍も昔の勉強の復習に時間を割かなければいけなくなった。先の事を考えて定期テスト勉強に力を入れていた人は、高校入試の前に私のように焦って復習する必要はなかっただろう。その場しのぎで行動すると後で大きな付けが回ってくる。人間の将来を予想できないがために発生する難しさでもあるが、日々の積み重ねは結局短時間の努力に勝るのだ。やはり、このような面でも今自分でベストを尽くす事の重要さが実感できる。


先日ロンドンオリンピックが開催された。多くの選手にとって四年間の練習の成果を発揮する大きな舞台であっただろう。四年という年月は短いようで長く、長いようで短い。四年後のオリンピックを見据えて、どのような練習をするのか。計画的に考えていかないとダラダラ練習してしまったり、思うように練習できなかったりするだろう。しっかり四年という期間を見通して練習を重ねてきた人がオリンピックという舞台に立てるのだ。私がこの本を読む前では、競技・種目ごとに付けられる順位を勝ち組・負け組と考えることもあったが、今ではそのような考えは大間違いだという気持ちが強い。また、今までオリンピック選手をただ漠然とすごいと思ってきたが、今回をきっかけに四年を見通して練習を積んでいる事への尊敬の気持ちからすごいと思うようになった。今回この本を読んで自分の事、他人の事を冷静に考え直してみると自分の考え方を直さなければいけない面も数多くあった。私は、これから長い人生を歩んでいくが、先の将来へ見通しを持ちつつ今を精一杯ベストを尽くしていく事が素敵な未来につながっていくと実感した。人間の測り知れない可能性を最大限広げる事ができるように、私は努力していきたいと思った。

 

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