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「自分と向き合う」

 
第35回(平成27年度)
全国高校生読書体験記コンクール県優良賞
小林大輝さん(新潟県立高田北城高等学校)

私はこの春、高校生になった。高校生になったばかりのときは、もちろんこれからの高校生活が楽しみだった。しかし、中学校のころから勉強に全くやる気が出ず、それは高校に来てますます強くなっている。現に夏休の宿題も、夏休みの後半になって、やっとやり始めた。私はこれから先の高校生活にとても不安を抱いている。

新潟県立高田北城高等学校

新潟県立高田北城高等学校


私がどうすれば勉強ができるか周りに相談しても、気持ちとか、やる気の問題とか、目標が無いからと言われるのは目に見えている。悩んでいるときに渋々、読書体験記のために本を読んだ。


この本は就職活動をしている大学生たちが主役の本だ。お互いにアドバイスをし合い、助け合いながら学生たちは就活に励み、人生の壁を乗り越えようとしている。しかし、がんばっていないふりをして、裏で必死になっている人がいたり、誰かが成功しても表では良いことを言っているけれど、裏では人を馬鹿にするようなことを言っていたりと、皆が嘘を言っていることが段々と見えてくる。そのような、人間関係の表裏がとても匠な表現で書かれている。


その中で一番嘘をついて偽わらなければいけないもの。それが面接だ。面接では悪い自分ではなく、自分の良い部分だけを言わなくてはならない。誰もが就活を成功させるために有利になることを言うはずだ。その自分を偽っている自分は「何者」なのか。就活を通して自分を見つめ直していく、そんな物語になっている。


主人公のセリフに「面接はダウト、一を百と偽わってもいいが、ばれたら終わり。」というセリフがある。確かに嘘をつくということはバレなければいいのかもしれない。私が書いているこの文章にも、本当は思っていないことを書いている。そんな部分があるかもしれない。しかし嘘は上手く言わないと必ずバレる。日常生活でも面白くないのに笑ったり嘘を言うことはある。私は自分に嘘をつき続けているのだと思う。勉強をしなければいけないけれど用もないスマートフォンをかまい続ける。やることが無くなると勉強をせずに、マンガを出して、これを読まなければいけないから勉強はその後。それが積み重なって、勉強をしない、したくないというように、ダラダラした生活に結び付いているのだと思う。自分の中でも自分を偽わって、結果的に自分を苦しめているのだと思った。


他にもこの本には、こんなセリフがある。「あんたは誰かを観察して分析することで、自分じゃない何者かになろうとしているんだよ。」このセリフに、私は一番ドキッとした。なぜならこのセリフは今の私にぴったりだったからだ。友達とテスト勉強の話をして、どのくらいやったか時間を聞く。その相手が自分より多い時間をやっているくせに自分より低い点だということを確認して喜ぶ。私は天才ではないのに、他の人より頭が良いと思って自分を偽わろうとしている。自分は努力をしていないのに他の人より頭が良い。そう思いこんでいる。しかし、これでは必ず努力をしている人に抜かれる日が来くに違いない。そのときも、私は自分に嘘をつき続けて、努力をしないのだろうか。いや、それではいけないと思う。私は変わらなくてはいけない。この本は私をそんな気持ちにさせてくれた。


自分は自分以外の何者になることもできない。だからこそ自分を良く知ることが大事だと思う。自分を知ることで、勉強もやる気になるかもしれない。


この物語の主人公は周りを分析して自分が上に立っているような気持ちになり、満足していた。これは今までの私と同じなのかもしれない。しかし私には主人公との大きな違いがある。主人公は周りの目を気にして、周りから「痛い」と思われるような行動はしなかったのだ。そして周りを分析していた。それに対して私は、自分を偽わって、自己満足をするためにしていた。正直私は、主人公からすると「痛い」と思われる側の人間だと思う。目立ちたがり屋でみんなに自分の存在をアピールしたい。だから周りにも自分にも嘘をついている。アピールをして皆にすごいと思わせるには嘘をつくという行為が一番早いと思ったのかもしれない。


しかし、私はこの本を読んで変わりたいと思った。努力をして周りに認められる存在になりたい。自分に嘘をついて努力することを怠りたくない、最後に変わったこの物語の主人公のように。私は決して嘘を付かない人間になりたい。

 

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