平成25年2月14日(木)に文書館基礎講座の第4回「北越詩話ほくえつしわの著者 坂口仁一郎さかぐちにいちろう」を開催しました。
第4回では、明治~大正期に政治・経済・文化など多方面で活躍した坂口仁一郎(阪口五峰さかぐちごほう)について取り上げ、特に政治家・漢詩人としての側面を説明しました。参加者は、忙しい政治活動の合間をぬってまとめあげた大著『北越詩話』の執筆過程に感心し、講座後も熱心に質問をしていました。以下、第4回の講座内容を概略で紹介します。
坂口仁一郎は、「坂口安吾の父」としてよく知られているかもしれませんが、彼自身も非常に功績を残した人物でした。
幕末に蒲原郡大安寺村(現在の新潟市秋葉区)で生まれた坂口仁一郎は、20歳で政界に進出して以来、生涯政治家として生きました。40代で国会議員となりましたが、所属政党内のまとめ役として、議員仲間の信頼を集めます。
一方、仁一郎は10代のころから漢詩に親しみ、60代で漢詩文集『北越詩話』をまとめました。これは千人以上の人物を、評伝も含めて取り上げた大作です。人々の協力も得ながら取材・執筆を重ね、長い歳月をかけて完成させました。仁一郎にとって、漢詩は「趣味」という位置づけだったようですが、この著作により、それに収まらないほどの功績を残したといえるでしょう。
☆なお、第4回で紹介した資料の一部を閲覧室内に展示していますので、ぜひご覧ください。

→越後佐渡ヒストリア第11話「
政治家坂口仁一郎と漢詩人坂口五峰」