〔第51回解読文・解説〕

解読文

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解説

五十島村渡部家文書の特徴は、江戸時代以降の阿賀野川などの水運に関わる、まとまった資料を伝えていることにありました。今回のテキストも、この阿賀野川水運に関わる文書です。

小浮村は現在の阿賀野市(旧・安田町)。遭難した2艘の船を、あとから来た船が加勢せず、見捨てていたことが露見し、処罰されました。難船を見た場合、救助などに加勢しなければならないという掟が存在していたことを伺わせます。

処罰は、舟頭だけでなく舟主にまで及んでいます。舟主豊七は、入寺を仰せ付けられ、舟頭は3日間の入寺の上、年内は新潟からの塩・四十物の舟積を差しとめ、空舟にて川を登ることを命ぜられました。御慈愛により軽い処罰であったことをありがたがっていますが、半年間に及ぶ経済制裁の痛手は、結構なものだったのではないでしょうか。

資料請求番号:CF16-37-35