〔第49回解読文・解説〕

解読文

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解説

今回も鈴木家と桂家の親密な関係を示す書状がテキストです。

前半では、鈴木重胤の著述物が散逸することを防ぐため、まずは春日部の親類に預けおいたことが記されています。また、物によっては、将来、桂家に預けることになるものがあるかもしれないが、その節はよろしく、と記されています。

後半では、重胤の霊号が決まったことを報ずるほか、自分の傷の具合に触れ、筆が取れるほどに回復はしているが、今回は代筆にて失礼するとしています。筆跡は、前回のテキストと同じ筆に見えます。ちなみに、武蔵(重兼)は、当時19歳、翌元治2年(1865)3月2日に亡くなります。

尚々書で、「書紀傳」(日本書紀伝)に触れています。これは、重胤の代表的な著述で、30巻からなるものですが、遭難により未刊に終わったものです。

(参考文献:谷省吾『鈴木重胤の研究』神道史研究会、1968年)

資料請求番号:E9103-1091-2