〔第45回解読文・解説〕
解読文
解説
前回に続き、新発田藩の銃隊関係文書を取り上げます。
この文書は、俊治が銃隊稽古を欠席することを名主が大庄屋桂家に届けたものです。「虫歯で歩行もなりかねる」(虫歯で歩行もできない)と理由がのべられていますが、本当かどうだかわかりません。それらしい理由がつけば、欠席できる空気があったのでしょう。
慶応2年(1866)3月15日の欠席取調帳によると、6割余が欠席であったことがわかります。理由には、「御城下御用」「神事ニ付」「不快」などと記されています。無断欠席も多かったようで、今回のように届けのあるのはまだ良い方のようです。
藩もこうした状況を問題視し、誓詞を取ったり、廻状で厳達したり、欠席料徴収を試みたりしていますが、すべてが銃隊の限界そのものを物語っているように思われます。
時代劇などで描かれる村人像とは異なり、したたかに生きる村人の姿を読み取ることができるかもしれません。
資料請求番号:E9103-80-47