〔第38回解読文・解説〕

解読文

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解説

高島流とは、高島秋帆によってはじめて日本に紹介された西洋式の兵学のことです。秋帆は長崎の生まれ。長崎町会所調所頭取として長崎防備を担当する中で、出島のオランダ人から西洋砲術を学んだと伝えられます。

高島流は、佐賀や薩摩で先駆的に導入されていましたが、天保12年(1841)に幕府が採用するところとなり、諸藩にも広く採り入れられるようになりました。今回のテキストも、その広がりの裾野を示したものと言えます。

なお、本文中の「加火内砲」(火篇に内)は大砲の一種である「カノン砲(加農砲)」の当て字ではないかと思われます。

資料請求番号:E9916-1663