〔第50回解読文・解説〕
解読文
解説
今回のテキストは、東蒲原郡五十嶋村(現・阿賀町〈旧・三川村〉)・渡部家文書から出題します。
渡部家は、江戸時代、五十嶋村の肝煎を代々つとめた家柄で、明治時代には、小区長に任じられました。また、地域の水運業者の中心的な存在で、その活動は、阿賀野川水系はもちろん、信濃川水域にも及んでいました。
同家には、いわゆる村方の行政文書のみならず、水運・流通関係文書を多数含む膨大な文書群が残されています。とくに水運・流通関係では、江戸時代後期を中心に連綿とのこっていて、県内では希有なものと位置付けられています。この点から、平成12年(2000)3月24日付で、新潟県の文化財に指定されています。
今回のテキストは、五十嶋村の船数・船主を書上げ、会津藩主に提出したものの控えです。一村で20艘の船が書上げられておりますが、五十嶋村の性格、あわせて渡部家文書群の性格をよく示している文書だと思います。
損傷が激しく、文字が欠けている部分が多くありますが、おおよその推測ができ、内容理解には支障ないかと思われます。
資料請求番号:CF16-48-25-1