〔第44回解読文・解説〕
解読文
解説
桂家は新発田藩新津組の大庄屋。当館所蔵の同家文書には、兼帯した小須戸組を含めて、幕末期の農村の動向を物語る文書が数多く残されています。今回テキストに取り上げた銃隊(農兵隊)に関わる文書は、そのなかでも出色のものといえます。
新発田藩では、兵制の西洋化の一環として、元治元年(1864)、領内各町組の庄屋・名主に合計200人の農兵(直後、銃隊に改称)取立が割振られています。銃隊の指導には佐治孫兵衛らが当たりました。
今回のテキストは、9月18日、銃隊稽古が行われるから間違いなく出席すべきことを伝えた廻状です。弁当持参、久しぶりだが欠席のないように、とも書かれています。念を押しているところを見ると、欠席(サボリ)が多かったのかもしれません。
廻状は蕨曽根から新保の各村(いずれも現在新潟市。蕨曽根~梅木は旧・新津市、龍玄・新保は旧・小須戸町)を回覧され、大庄屋桂家に戻され、現在に伝わったものです。村名の下には村役人の見た印として、時刻が記されています。そこだけ筆跡が違うのが分かると思います。町内会の回覧板で、今も同じことをしています。
資料請求番号:E9103-80-46