〔第05回解読文・解説〕
解読文
解説
蒲原郡西山新村は、現在の阿賀野市上西山(北蒲原郡笹神村上西山)にあたります。
江戸時代はキリシタン禁制の時代であり、村人はいずれかの寺院の檀家に位置付けられていました(寺請制度)。宗門人別帳は、この仕組みの確立とともに村々で作成されるようになった帳簿です。そもそもはキリシタン摘発が作成目的だったわけですが、その意味が薄れても、現在の戸籍にあたるものとして毎年作成されました。
内容的には、村人全員の名前・続柄・年令・持高が家ごとに記され、彼らがキリシタンではないことを保証した寺院(このテキストでは天樹寺)の証印と、帳面に間違いない旨を確認した村役人の署判が加えられています。
帳面は毎年3月、村役人によって作成され、一部は役所に提出され、一部が村の控えとなりました。したがって、現在でも旧庄屋宅に行きますと、大量の宗門帳を目にすることがあります。
江戸時代の村の研究にとって、宗門帳は検地帳とならんで基礎的な史料になります。村の人口構成・男女比・年齢構成などは簡単な整理で明らかにできます。そのほか、例えば、嫁がどこから来たのか記述がある場合がありますので、通婚圏の研究なども可能になります。また、先祖探し=系図づくりにも活用が可能でしょう。
資料請求番号:E9321-1-43