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[第24話]越後生まれの妖怪博士!?井上円了

 

 妖怪博士にして生涯学習・社会教育・通信教育の先駆者、仏教哲学者、世界旅行者、東洋大学創始者・・・。越後国三島郡浦村(現長岡市、旧越路町)で生まれた井上円了いのうええんりょう(1858~1919)は、いくつもの顔を持つ多才な人物です。
 幼少時から漢学・英語を学び、東京大学文学部に進み哲学を学びました。卒業後は「諸学の基礎は哲学にあり」という教育理念を掲げて、私立哲学館(現在の東洋大学)を創設しました。学生の指導にあたるとともに教育機会の開放(「余資なく優暇なき者」のために)をめざし、地方都市や農山村、漁村を中心に全国各地で公演を行いました。その講演数は27年間で約5,400回、聴講者140万人を数えました。講演内容は、仏教、哲学、教育、世界情勢のほかに、妖怪・迷信なども用意されていました。
 明治44年に円了が著した『日本周遊奇談』は、日本全国を周遊した記念として見聞したことを口述してまとめたものです。全425話の中から、“妖怪博士”と呼ばれた円了の「妖怪」に対する考え方がよく表れている「第194話 妖怪の説明」を要約して紹介します。


世間の人は私のことを“妖怪博士”とか“化物先生”とか“幽霊の問屋”と呼んでいるようなので、地方巡回中も各地で妖怪の説明を求められる。そこで私はいつも「天狗妖怪は怪物にあらず、清風明月は真怪である」と説明する。
化物の正体みれば我心/臆病の家はお化の問屋なり/妖怪の受売いつも掛値あり

   科学が未発達であった時代、人々は幽霊や人魂など生活経験の中で理解不能な不思議な現象は「妖怪」のしわざ、と考えていました。机に乗せた人の手がひとりでに動くという不思議な現象「こっくりさん」(西洋ではテーブル・ターニング)を科学的に解明したのも円了です。円了は調査と実験により、人間の心理作用が「こっくりさん」の原因であることを突き止めたのです。このことがきっかけとなり、円了は妖怪研究に突き進んでいきました。

 
【『日本周遊奇談』】(請求記号E9111-701)