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「私の大好きなハートフルおばあちゃん」

 
第31回(平成23年度)
全国高校生読書体験記コンクール入選
西脇萌子さん(私立新潟清心女子高等学校)

「おばあちゃんのこと、大大大好きだよ。」これはずっと小さい頃から今も祖母に言っている台詞です。その度に祖母は、「私も大大大好きだよ。」と言ってくれます。そんなおばあちゃん子の私が偶然出会ったこの作品は、まるで私と祖母を描いているようで、胸が熱くなりました。

私立新潟清心女子高等学校

私立新潟清心女子高等学校


私の両親はなかなか休みのとれないサービス業と販売の仕事で、母は私が生まれるとすぐに仕事に復帰しました。首の座らないうちから、面倒を見てくれたのは祖母でした。「勉強は教えられないけど、たくさん自然に触れさせて愛情はたくさん注ぐ。」と言って、私の子守りを引き受けてくれたのだと、少し大きくなってから聞かされました。私はこれを聞いた時、改めて祖母を尊敬しました。確かに難しい計算式や難しくて読めないような漢字などを教わったことはないけれど、私は学校では学ぶことのできない一番大切で、しかも未来に必要なことを祖母から学びました。三食きちんと食べて規則正しく生活すること、体を動かし楽しく遊ぶこと、毎日変わらない散歩道の中にも常にある新発見、人への思いやり……。上げればキリがありません。そして、いけない事は叱ってくれ、いい事は誉めてくれる愛のある祖母です。また、祖父の休みの日には必ずカメラを持って、お弁当を持って自然の中に連れて行ってくれました。私はその時、小さいながらにも、花や川の流れの美しさ、動物達の愛らしさに感動した覚えがあります。祖父が撮ってくれたその数え切れない写真を見ると、全て自然な笑顔の私がいます。改めて私が経験した自然の豊かさや、雄大さが分かり、今では私の誇りでもあり、自慢でもあります。


高度に発達した社会のなかで、私達は人工的なものに囲まれ、人工的なよくわからない物が沢山入った食べ物を食べて生きています。そんな中で生じた人間の歪みからこのお話の主人公まいは立ち止まります。けれどまいのおばあちゃんが施した薬は、人間が長い間に自然から教わり受け継いできた知恵や、生活の基本、人としての基本を身につけることでした。そしてまいはだんだんと生きる意味や気力を取り戻します。まずこれが私と祖母に共通していると感じた点でした。祖母が私をありったけの自然に触れさせてくれ、ありったけの愛情を注いでくれたから今の元気に生活している私がいるのです。


そしてもう一つの共通点は家族は一緒に暮らすというおばあちゃんからの言葉です。まいの家族もはじめはバラバラでしたが、おばあちゃんの言葉で家族みんなで暮らすようになりました。最近は父親の転勤などで家族がバラバラに暮らしていることも少なくありません。私の家も転勤族になりかねませんでした。けれど家族はみんな一緒に暮らすという祖母の強い思いと必死の説得で私の家族は今、仲良く一緒に暮らしています。今のこの当たり前の状況からは家族がバラバラに暮らすなんて考えられません。こんな温かい家庭を当たり前のように感じる事ができるのも祖母の一言のおかげだと言っても過言ではないと思います。


私はこのお話を読んで涙がとまりませんでした。祖母との数え切れない思い出や、祖母の古くさい言葉達が一気に私の記憶の引き出しから飛び出してきました。祖母はいつでも私を実の娘のように可愛がり育ててくれたのです。けれども、実の母親ではない『祖母』という立場だからこそ私が素直になれたり、おばあちゃんというその存在がとても愛しく思えるのではないかと気づいたりもしました。


-おばあちゃんへ-私が成長する上で計り知れないくらいの愛情を注いでくれてありがとう。これから先、何十年とかけて倍以上の恩返しをするからまだまだ人生、楽しみにしていてね。でもまだたまに甘えたい時だってあるからその時は私が「おばあちゃんのこと、大大大好きだよ。」って言ったらいつもみたいに「私も大大大好きだよ。」って答えてね。


少しわがままな孫より

 

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