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「歯車のように噛み合う今を」

 
第34回(平成26年度)
全国高校生読書体験記コンクール県入選
吉田駿太さん(第一学院高等学校新潟キャンパス)

私が読んだ本は、一人の少年が旅を通じ、成長や知識、そして運命を得ていくもので、物語は精神的な話が濃く、童話的に進んでいきます。物語の中で何度も出てくる色濃く印象に残る言葉の数々に、読みながら何回も胸を打たれました。私は好きなミュージシャンが読んだという話を聞き、読み始めたので後々知りましたが、本自体は世界中でベストセラーを飾ったとても有名な本で、今でも多くの読者に刺激的な思想を届けています。

第一学院高等学校新潟キャンパス

第一学院高等学校新潟キャンパス


私はこの本から芯の通った人生観を受け取ることができました。前述したようにこの本には何度も刺激的な言葉が出てきます。一部には「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を探求している時は、心は決して傷つかない。」といったり、「もしおまえが見つけたものが純粋なものから成っていれば、それは決して朽ちることはない。」といったり、思考の足しになるような直接的に心を射抜く言葉の数々が溢れています。


では、そんな言葉の数々から受けた「芯の通った人生観」とは何か、ということですが、具体的には人が生きる上での目的、人生の価値、そして生き方のことです。この本で出てくる言葉は人生や夢について多く触れています。主人公の少年サンチャゴはその言葉たちに助けられ、導かれ、運命を進んで行きます。私もそんな言葉たちによって、今追っているミュージシャンの夢をという目的、それを叶えるために努力するという私自身、現在の人生の価値、そして夢や未来に正面から向き合う姿勢を持とうとする生き方に自信と芯を持たせることができました。


「自分の運命を実現することは、人間の唯一の責任なのだ。すべてのものは一つなんだよ。おまえが何かを望む時には、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ。」主人公は何度もこの言葉を思い出し、力をもらいます。また、本の中では自分のしたいことこそが運命であり、そしてその運命は使命として元より定められている、といったことも書かれています。つまりこの言葉は、自分のするべきこと、したいと望むものは初めから与えられたものであり、その望みを叶えようとする時、自分に降りかかる事全てが実現に向けられた出来事なのだ、ということを伝えたいのだと私は解釈しました。


私はこの本を読んで改めて中学の頃を思い返してみました。その時まで続けてきたサッカーによって固められ、当たり前に持っていたプロサッカー選手の夢。その夢を、馴染めず、次第に行けなくなった学校生活によって諦めたこと。そして学校に行けていなかった生活の中でふと怠け、それから聴き始めたラジオ番組から流れてくる音楽の数々に刺激されたこと。どれもが私に本当の、新しい夢を運んできてくれた出来事のように感じたのです。ラジオから流れる音楽たちに魅力され、私はミュージシャンの夢を持ちました。それは一つの出来事のように感じますが、実際は様々な事が重なって起きた出来事だと思うのです。細かく振り返ればもっと多くの出来事が自分を作った可能性だってあります。自分が生きた分、物語はいくつも生まれていて、それらは一つの事実に繋がっているのかもしれません。


今の状況は様々な出来事が歯車のように噛み合って自分に訪れている、という意識が本を読んで高まりました。また、それによって現在を今まで以上に大切にしようという意識も生まれました。私は今、夢を、運命を実現するためにギターの練習をしていますが、それに明確な終着点はなく、不安にかられます。これから先、何が待ち受けていて、どんなことが自分に降りかかってくるのか、それは未知です。ただ、過去の出来事どれか一つでも欠けたら今は、自分は、運命はないかもしれない、その意識を忘れず、胸に抱きながら運命の実現に沿っていけたらと思います。

 

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