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「食を豊にするために」

 
第34回(平成26年度)
全国高校生読書体験記コンクール県入選
磯部和奏さん(新潟県立新潟高等学校)

私がこの本を選び感想文を書こうと思ったきっかけは、家族ぐるみで食の安全性について考えるようになったことです。最近、日本のマクドナルドのチキンナゲットの問題がありました。上海の食品会社が、保存期限が七ヶ月も過ぎた鶏肉を混入させていたという事件です。また、過去にも冷凍食品の問題も取り上げられ、非常に怖い思いをしました。そこで私は、私達消費者が普段口にしているものの安全性について疑問を感じるようになりました。

新潟県立新潟高等学校

新潟県立新潟高等学校


私が読んだ「体を壊す10大食品添加物」という本は、著者である科学ジャーナリストの渡辺雄二さんが日常生活に潜む食品添加物の危険性を紹介した本です。その危険性は、著者の体験談や参考文献の実験データ等をもとに示してあります。例えば、私達の身近に感じられるコンビニエンスストアのおにぎりや、弁当、料理店で出される食事について、著者自身が五感を働かせて体験したことや緻密なデータを用いて読者が理解しやすい文体で詳細を述べていました。そして著者は読者に、自己コントロール能力を身に付けることで、食品添加物を避けるように心がけをし、企業側がカロリーオフ飲料などで消費者を惑わすような危険思想に捕らわれることなく自分の健康を維持するべきであることを伝えていました。例えば先ほど述べたカロリーオフ飲料とは、糖分やカロリーの代わりにカロリーが少ない、あるいはゼロの合成甘味料をつかったものです。実際はその合成甘味が体内へ入ると、分解されず代謝されないため、とても危険であることは、あまり知られていません。このように、消費者に知られていない様々な知識を丁寧に解説してくれるところも魅力の一つです。


この本を読み終えてから、私は家の近くのスーパーに行き、飲料コーナーを見てきました。そして一本のカロリーゼロのジュースを手に取り、原材料の表示を見た途端、あまりにも多く書かれた添加物を見て驚愕しました。なぜこんなことをしたかというと、添加物といっても種類が様々であり、その中でも自然界に全く存在しない、人工的に作り出された合成添加物を知ったからでした。これらの化学合成物質は自然界に存在しないため、体内で分解、代謝されず、カロリーがゼロなのです。カロリーゼロのものは、特に若い世代の女性や肥満、糖尿病を気にする男性に支持を得ています。他にも店内を回ると、飲料のみならず、菓子類や惣菜、漬け物、練物までもが多くの合成添加物を使用していることが分かりました。実際に見てからは、今までなぜ疑問を持たずに生活していたのかと思ったほど不思議です。科学が発展して現在は何でも人工的に作り出すことが可能になった時代になりました。それによって経済効果も生まれ、人々の暮らしがより豊かで快適になったのも事実です。合成添加物もそのうちの一つだと思います。しかしそれが体に悪い影響を及ぼすようであれば全く意味がないのではと私は考えました。これを通じて、経験したことによって情報を集めたり見たりして、自分なりに考察していくことの大切さも学びました。このことを知ってからは、食そのものについても考えはじめました。先日、私は家族旅行に行きました。旅行先では、その土地の名物が並び、活力が溢れていて、とても良い思い出ができたと思います。しかし、その土地でしか収穫できない農産物が、今では色々な所で売っているような、飽食の社会になっていることも感じました。手を伸ばせばいつでも手軽に食品が手に入るし、温めるだけ、もしくはそのままで食事を摂ることができます。それもまた保存料として添加物が関わっているのだなあと感じました。これからは、添加物に頼らないためにファーストフードやレトルト食品、冷凍食品などをできるだけ避け、買物の際は原材料の表示をよく見て注意を払うことを心がけていきたいと思います。また、地産地消の精神を大切にしていくことの重要性にも気付かされました。


この本を読んで、売られている食品全てが安全というわけではなく、自己コントロールが必要不可欠であることを強く感じました。しかし数は少ないけれど、中には無添加食品も売られています。身体は食べ物で作られると言います。私はこれから、体も心も豊かになれる食生活を目指していきたいです。

 

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