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[第88話]緑化への県民の熱意の体現 -第23回全国植樹祭-

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「行幸啓(ぎょうこうけい)」という言葉をご存知でしょうか。天皇陛下と皇后陛下がご一緒に各地へお出かけになる行事を言います。その中でも、毎年定例となっている「国民体育大会」「全国豊かな海づくり大会」、そして「全国植樹祭」を「三大行幸啓」と呼んでいます。全国植樹祭が新潟県で行われたのは、昭和47(1972)、平成26(2014)2回です。このうち、1回目の記録が文書館に保存されています。
 昭和47年の全国植樹祭は、521日に黒川村胎内平(現胎内市)で開催されました。当日は風雨に寒さが加わる悪天候でしたが、県内外から18,300人が参加しました。進行記録では、朝6時から会場でのアナウンスが始まり、合図の花火が上がりました。920分には、「あいにくの天候ですので態度の決定を検討中でございます。(中略)この間音楽でお寛ぎいただきたい」とアナウンスが入り、地元中高生と陸上自衛隊、県警の音楽隊による演奏が行われました。940分にはこのまま植樹祭が行われることが伝えられ、1030分に開会、国旗掲揚、国歌斉唱、大会旗・県旗の掲揚、亘四郎新潟県知事の挨拶、来賓挨拶と続き、新しい企画として自然保護・緑化先進国のスウェーデンから国際緑化親善メッセージが寄せられました。そして県知事から災害防止の決意表明がありました。新潟県は昭和41(1966)42(1967)とたて続けに下越地方が水害に遭っていたからです。

11時過ぎに天皇・皇后両陛下が到着され、各種表彰の後、天皇陛下からおことばを賜りました。そして天皇・皇后両陛下による杉の苗木のお手植えとなりました。雨の影響が心配されましたが、ちょうどその時だけは雨はあがっていたようです。その後、参加者一同による記念植樹が行われました。あらかじめ記念品として配られていた植栽ごてを使って、参加者は決められた区域でクロマツなどの植樹を行いました。この間、音楽隊による演奏や合唱隊による合唱も行われます。天皇・皇后両陛下は植樹の様子を観覧ののち、退席されました。両陛下の滞在時間は約25分でした。その後、次の開催県の宮崎県知事が挨拶をして式典は終了しました。
 新潟県では、各部の部長・課長などの職員が班を編成して大会本部を構成し、植樹祭のために道路や駐車場、水道なども新設されました。資料の最後に、「反省報告」というページがあります。参加者全員がずぶ濡れになりながら植樹したようで、それにもかかわらず「緑化への熱意による真摯な態度には全く頭が下がった」と書かれています。風雨の中、この行事に多くの人たちが関わり、大変な労力をかけ綿密な計画を練り実施されたのです。この記録は県民の熱意が伝わってくる貴重な資料として残されています。


 

【第23回全国植樹祭記録】請求番号Q15農治2
(右:「参加者全員による植樹‐レインコートを着た参加者-」)